意外と簡単?第四級アマチュア無線技士の資格を国家試験で取得

「アマチュア無線を始めてみたいけど、難しそう...」そんな不安を持っている方も多いのではないでしょうか?実は、第四級アマチュア無線技士の無線従事者資格を得るのに必要な知識は、基礎的な内容に絞られており、適切な学習方法で取り組めば決して難しい資格ではありません。
第四級アマチュア無線技士免許とは
資格の概要
第四級アマチュア無線技士(4アマ)は、アマチュア無線の入門レベルの無線従事者資格です。年齢・学歴を問わず、国家試験、講習会、eラーニングで取得することができます。
令和5年度の国家試験合格率は、約76%でした。
4アマの資格では、10,14,18MHz帯を除くアマチュアバンドでの、モールス通信を除くすべてのモード(電波形式)での運用が認められます。
また、送信出力は28MHz帯以下では10W以下、50MHz帯以上では20Wまでの無線機器が使用可能です。
この資格で何ができる?
①マイク(音声)を使った交信
アマチュア無線を楽しむうえでの基本のスタイルが、マイクを使って声を電波に乗せ遠くへ届ける、無線電話の交信です。アンテナや運用場所を工夫することで、思いがけない遠方まで電波が届くことがあります。このような遠距離交信ができた時の感激は忘れられない思い出になります。
②アマチュア無線コミュニティへの参加
アマチュア無線家をまとめる団体として、日本アマチュア無線連盟(JARL)があります。会員になると、QSLカードの転送サービスや、会報の送付、アンテナ保険などのメリットを受けられます。また、地域ごとにアマチュア無線クラブがあり、コンテストの主催や、会員同士の交流、イベント開催などに取り組んでいるなど、多彩な活動が実施されています。免許を取ってハムの仲間入りをすると、これらのコミュニティへ参加する機会も得られます。
③災害時の非常通信への協力
災害や大規模停電が発生した時に、電話やインターネットでの通信連絡が困難になる事例がこれまで何度もありました。このような際に、相手と直接やり取りができるアマチュア無線は役に立ちます。地域によっては、消防とアマチュア無線クラブが協定を結び、非常時の通信確保に重要な役割を担っています。
④各種コンテストへの参加、アワード(賞状)
アマチュア無線独特のゲームとして、コンテストとアワードがあります。コンテストは、限られた時間内にどれだけ多くの無線局と交信ができるか、その技術を競う大会で、毎週末のように、日本だけでなく世界中で開催されています。アワードは、公園内からの運用や、山頂からの運用など、決められたルールに基づいて、それに合致する相手との交信をすることでポイントを得ていき、実績を完成させると賞状がもらえるというゲームです。
⑤FPVドローンの運用
ドローンにカメラを搭載して、リアルタイムでその画像を見ながら操縦するFPVドローンを趣味で運用するためには、アマチュア無線の資格が必要です。4アマの資格があれば、無線局を開設してFPVドローンを楽しむことができます。
国家試験で取得する
4アマ免許は、国家試験に合格することで取得できます。国家試験はPCを使ったCBT方式の試験で実施されており、全国各地のCBT試験会場で、随時受験することができます。
国家試験の受験案内は、日本無線協会のウェブサイトで確認することができます。
4アマの試験科目
- 無線工学
- 12問、60点満点(40点以上で合格)
- 基礎的な電気・無線の知識
- 法規
- 12問、60点満点(40点以上で合格)
- 無線局の運用ルール
試験時間
- 2科目で合計1時間
独学での勉強方法
Step 1:教材の準備
4アマの国家試験に向けた学習は、解説付きの過去問題集を一冊買ってきて、徹底的に覚えることでOKです。
「第4級ハム国試 要点マスター」
「初級アマチュア無線予想問題集」
4級3級アマチュア無線予想問題集 2025年版: 完全丸暗記
Step 2:学習計画の立案
試験日までの日数と、問題集を1回転させるための日数から逆算して、何回転できるかが合格のポイントになります。
また、週末まとめて学習するよりも、スキマ時間を活用したり、通勤通学時間を活用したりなど、3分空いたら問題を解いてみる、といった感じでコツコツ継続した学習が最も効果的です。
Step 3:効率的な学習方法
はじめは分からない問題や用語が出てくると思いますが、そこで立ち止まるのではなく、まずは全過去問を1周解いてみることが大事です。それぞれの問題が相互に関連した知識を問うていることも多く、まずは国家試験の全体像を把握しましょう。
2周目以降は、間違えた問題、わからない用語をインターネットなどを使って調べるなどしながら、解答解説を理解していくようにするとよいでしょう。
法規の学習ポイント
法規科目は、電波法や無線局運用規則などから、電波利用と無線局、無線従事者等に関する問題が出題されます。
法規のポイントは、それぞれのルールが
- 誰に何を義務付けているのか
- どのような場合に、いつまでに何をしなくてはいけないか
- 禁止されていること、許可されていることはなにか
といったところを押さえることができるといいでしょう。
免許の期間や、届出等の期限など、日数、年数もよく出るポイントです。
無線工学の学習ポイント
無線工学科目は、電気、電波の基本や、送受信機の構成、無線機の取扱い、電波の伝搬など、幅広い分野について、基礎的な知識を取り扱います。
無線工学のポイントは、理論は大切ですが、それよりもまずは目に見えない電気や電波をイメージでとらえて問題と解答を理解することだと思います。
また、計算問題が出題されますから、オームの法則や、波長の計算などの公式を覚えて、取りこぼしがないようにしたいところです。
よくある疑問と回答
Q1: 全く予備知識がなくても大丈夫ですか?
A1: はい。テキストの内容を順番に学習していけば、基礎から理解できます。
Q2: 仕事をしながらでも取得できますか?
A2: 可能です。1日1-2時間の学習で、1-2ヶ月程度で合格レベルに達することができます。
Q3: 試験会場はどこにありますか?
A3: 全国各地の試験センターで実施されています。お近くの会場を選択できます。
まとめ
第四級アマチュア無線技士免許は、適切な学習方法と計画的な準備があれば、初心者でも十分に取得可能な資格です。あなたも試験にチャレンジして、ハムの仲間入りをしませんか?