どうしたらいい?アマチュア無線局免許の申請・取得

トランシーバを使い交信するためには、講習会を修了することで取得できる「無線従事者免許証」とは別に、コールサインが記された「無線局免許状」が必要です。

ここでは、無線局免許状を取得するために必要なステップについて説明します。


アマチュア無線を始めるには?

従事者免許と無線局免許、2種類の免許が必要

アマチュア無線を始めてみたいと思ったとき、最初に必要になるのが「無線従事者免許証」と「無線局免許状」という2つの免許です。「無線従事者免許証」は、アマチュア無線を使うための“運転免許”のようなもので、国家試験に合格したり、講習会を修了したりすることで取得できます。

そして、その免許を取得した後に無線機やアンテナを準備し、「無線局免許状」を取得することで、自分専用のコールサインを持った無線局(トランシーバを使った通信設備)を合法的に使えるようになります。

自動車に例えれば、無線局免許状は「車検証」、コールサインは「ナンバープレート」のようなものといえるでしょう。

無線局免許状を申請する

無線局免許状を取得するためには、まずトランシーバ(無線機)を準備し、管轄する総合通信局に無線局の開局を申請します。

手数料が割安な電子申請と、パソコンを使わない紙申請

申請方法には、インターネットを使った「電子申請」と、郵送などで書類を送る「紙申請」があります。電子申請は操作に慣れれば便利ですが、パソコン操作が不安な方には、紙申請のほうが分かりやすいかもしれません。

総合通信局に支払う開局申請手数料は、電子申請だと2,900円、紙申請だと4,300円と、電子申請のほうが割安になっています。(いずれも50W以下のアマチュア局の開局申請)

旧式のトランシーバを使う場合「保証認定」が必要

ここでポイントになるのが、使いたいトランシーバの種類です。

現在アマチュア無線用として販売されているアイコム、ヤエス、アルインコなどの国内メーカー製トランシーバは「新スプリアス規格」に対応しており、すでに技術基準適合(いわゆる“技適”)の認定がされています。これらの機種は、比較的簡単な手続きで免許申請が可能です。いわば「合格済みの製品」をそのまま使うようなものなので、特別な書類を準備する必要がありません。

一方、古いトランシーバや海外製のトランシーバを使いたい場合には、注意が必要です。

国内メーカーのトランシーバであっても、2005年頃より前に製造販売された機種は「旧スプリアス規格」に基づいて設計されているものが多く、そのままでは無線局免許が下りません。

このような機種を使用するには、「JARD(一般財団法人日本アマチュア無線振興協会)」による“保証認定”を受ける必要があります。これは、そのトランシーバが今の基準でも問題なく使えることを第三者機関が確認する仕組みです。

保証可能機器リストにない場合は追加資料が必要

保証認定の申請も、使うトランシーバの情報によって難易度が変わります。

古いトランシーバであっても、技適番号やJARL(日本アマチュア無線連盟)の登録番号があり、「スプリアス確認保証可能機器リスト」に掲載がある無線機であれば、比較的スムーズに申請できます。しかし、このリストに掲載がない、あるいは自作や改造をした無線機を使いたい場合は、少し複雑になります。なぜなら、これらの無線機では、技術的な構成を説明する「送信機構成図」などの追加資料の提出が必要になるからです。

送信機構成図とは、簡単に言えば、無線機の内部がどのように作られているか、電気信号がどう流れているかを示す図です。これを提出することで、無線機が適切に設計されており、正しく動作することを証明します。

電子回路や通信技術の知識がないと難しそうに聞こえますが、市販のほとんどの無線機には、取扱説明書に送信機構成図が掲載されています。その場合は、説明書の該当ページを添付することで済み、新たに図を作成する必要はありません。

ただし、完全な自作品や、説明書がない無線機の場合は、自分で構成図を作成する必要があります。この場合、発振器、変調器、増幅器などの主要な構成要素を記載し、信号がどのように処理されているかを分かりやすく図示しなければなりません。回路の設計や送信機の知識をお持ちの方であれば問題ありませんが、初心者にとってはハードルが高いと感じることもあるでしょう。

ビギナーには新スプリアス基準を満たす新しい機種がおすすめ

そのため、アマチュア無線をこれから始めようとする方は、まずは技適番号が付けられた新しいトランシーバを使って免許申請する方法がおすすめです。技術的な資料の提出が不要なため、手続きがスムーズで、安心してスタートできます。

無線の世界は、遠くの仲間と電波でつながるワクワク感が魅力です。面倒そうに見える手続きも、ポイントを押さえれば意外とシンプル。ハムライセンスドットコムでは、初心者の方でも安心してスタートできるよう、やさしくガイドしていきます。

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